【これからの働き方】キャリアの“Jカーブ”でしゃがむこと〜変化を楽しむことの大切さ〜 | 3社対談:vol.3

対談について

仕事をしていく上で、私たち3人が大切にしてきたことをお話しました。
最初は義務感から仕事をスタート。20代はなりふり構わず与えられた仕事をしていたら、いつの間にか“使命感”が備わっていきました。そのようにキャリアを磨きこんでいった結果、自分にしかできない仕事(=オリジナリティ)を見つけて、今では好きな仕事ができている。キャリアを長い目で見た時に「一旦しゃがんで、また高く飛ぶこと」「変化を楽しむこと」そんな発想が、これからの時代を生き抜いていくために共通する大きなヒントと言えそうです。
第3回は「キャリアのJカーブ」についてお話ししていきます。

【3】キャリアの“Jカーブ”でしゃがむこと 〜変化を楽しむことの大切さ〜

山際
お2人の話を聞いていて、キャリアを長い目で見た時に、“一旦しゃがんで、高く飛ぶ”…そんなイメージが頭に浮かびました。
西尾
“しゃがむ”って、屈伸運動のあれですよね?
佐藤
もしかしたら、辛くても歯を食いしばって仕事している時期が“しゃがむ”で、その後オリジナリティある仕事を自由にできるようになることが“高く飛ぶ”ということでしょうか?
山際
その通りです。例えば経済学でいう所の「Jカーブ」のようなイメージです。経営でこれを例えると、投資期間中は間接費用が高く、業績がマイナスの状態が続きますが、店舗が増えていくうちに間接費用が軽くなり、オペレーションも構築され、そこで初めて業績がプラスに転じる…そんなことがキャリアにおいても言えるのではないでしょうか。
西尾
分かる気がします。

佐藤
キャリアにJカーブを当てはめるとすると、個人的な体経験で言えば、独立当初、今までやってきた人材紹介の仕事を一切しなかったんです。1年間ずっと。
西尾
えっ、人材業界で独立したのに?何の仕事をされていたんですか?
佐藤
一番得意な人材紹介という仕事を封じ、苦手だったり、やったことがない仕事を中心に1年という時間を費やしました。具体的には大学院の仕事や本の執筆などをやっていました。かなり大変でしたけど、すごく良い経験だったと思います。
山際
「Jカーブ」とはまさにそれです。後に飛躍するためには辛い仕事に耐えたり、変化しなくてはならない時期がきっとあるはずです。人材業界で色々な人のキャリアを見てきた立場から、その点はどうでしょうか?

西尾
色々な方の転職を支援してきた立場からすると、今のご時世しゃがむ時期、つまりJカーブの下側に振れる時期は1回だけとは限らないですよね。
佐藤
確かに。ずっと直線的に右肩上がりになっていくことが保証されていない時代ですからね。
山際
逆を言えば、しゃがんだ期間がない人は、長い目で見た時、高く飛べないともいえますよね。
佐藤
20代の時ならともかく、例えば40代でしゃがむのは怖いと感じる人が多いと思います。「今の1000万円の年収は下げずに、新しいことに挑戦したい」と希望する人は多いですが、そんな転職は実際には滅多にないので…。
西尾
自信があれば、一時的に年収が下がったとしても後から上げることができるし、生涯年収で見ればあまり変わらない。でも、キャリアにおいてしゃがんだ経験がない人は、怖いから下げられない、心の老化現象ですよね。だから、私は若いうちに“しゃがむ”、つまり、がむしゃらに頑張る時期があった方が良いと思っています。
山際
そうですね。さらに、今まで積み上げてきたものや、オリジナリティを一度撤回することができる勇気も大事だと思います。変化を受け入れて新天地でまた1から始める…。苦しいけど笑顔で何度でも立ち上がる…。それが何度でもできるという気概を持っている人は、どの会社でも重宝されると思いますね。

佐藤
本当にその通りだと思います。自分の得意なものを一旦リセットして、新しい環境で教えてくださいと言える。そんなしなやかさを持った人は強いですね。
山際
チャレンジすることは何も若い世代の特権ではないと思います。年を取ってからでも、何度でも挑戦できる…これからの時代はそんな明るい世の中であって欲しいですよね。

[4] イマジネーションの重要性 〜最高シナリオと最低シナリオ〜 に続く

対談者プロフィール

佐藤 雄佑

株式会社ミライフ 代表取締役社長

2001年 新卒で株式会社ベルシステム24に入社
マーケティングやコールセンター管理業務に従事。コールセンターなどで多くの「人」と関わる中で、将来的には人材業界で起業したいと思うようになる。人材の中でも1対1で人と向き合いたいと考えたので「人材紹介」に絞り転職活動をする。
2004年 株式会社リクルートエイブリック(現:リクルートキャリア)に転職。リクルーティングアドバイザー(企業担当の営業職)やマネージャー、支社長を経験し、半年間の育休を経て人事責任者、エグゼクティブ層の転職支援などを経験する。
2016年4月 株式会社ミライフを創業

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西尾 理子

株式会社みこまる 代表取締役

2001年 新卒で日本HP株式会社に入社
2004年 株式会社リクルートエイブリック(現:リクルートキャリア)に転職。主に若手の転職支援や新規支社の立ち上げなどに携わる。人材業界で働く基礎を学ぶ。
2010年 株式会社プロコミットに転職。仮説やイマジネーションから結びつきを創造し、インパクトのある機会創出ができるようになった。
2017年5月 株式会社みこまるを創業

山際 尚徳

株式会社フォーリープ 代表取締役

2002年 新卒で株式会社リクルートエイブリック(現:リクルートキャリア)に入社
2年半ほどリクルーティングアドバイザー(企業担当の営業職)を経験し、独立のための退職を申し出たところ、上司から「起業するつもりなら、先ずは社内で新規事業をやってみろ」と言われ、3つの新規事業立ち上げを経験する。
2006年12月 IT領域で起業。リクルートがやらない領域で価値を提供できそうな事業をやっていたが、人材に係る仕事や相談も受ける機会が多く、その中で、人材紹介のあり方が現実と乖離してきたように感じAIではなく「人」にしかできない斡旋をしよう!と思い人材業界に戻ってきた。
2012年 株式会社フォーリープを創業

山際 尚徳キャリアアドバイザーに
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