【これからの働き方】がむしゃらにがんばるということ | 3社対談:vol.1

対談について

全5回でお届けするこの対談は、人材業界で10年以上やっている3名が、これまでの経験の中で感じたことや思ったことをのびのびと話したものです。

普段は聞けない人材のプロが語る生のキャリア論が、読む人のキャリア創りの一助になればいいな、と思います。

【1】 がむしゃらにがんばるということ

山際
10数年前、僕たち3人は同じリクルートエイブリック(現リクルートキャリア)で人材の仕事をしていたことがきっかけで出会い、その後、それぞれいろんな経験を積んで、今こうやって人材業界でそれぞれ起業をしている。今回の対談では、そんな僕らが最近感じた事や大切にしてる事とかをざっくばらんに、そしてちょっと真面目に話せたら単純に面白いんじゃないかな?という趣旨で話していこうと思います。
西尾
西尾です。スタートアップやベンチャー企業への転職支援や、キャリア相談に乗っています。私の仕事はかっこ良く言うとポジション創出で、モットーは「プロのおせっかい焼き」です(笑)。
佐藤
佐藤です。「やっぱり最後は人だ」という強い思いから、リクルートエイブリックを経て独立しました。現在はコンサル半分、人材紹介半分という感じでゴキゲンにやっております。
山際
山際です。学生の頃から、いずれは起業したいと思っていたので、とにかく社長に会える仕事ということで、新卒でリクルートエイブリックに入社しました。今は起業して13年目です。

佐藤
おー、13年!大先輩だ(笑)
山際
そういえば、西尾さんは新卒では今とは全く違う業界でしたよね?
西尾
はい。新卒ではIT企業に入ったんですけど、もっと人と向き合う仕事がしたくてリクルートエイブリックに転職しました。リクルート時代はとにかく目の前のことに全力でやっていたら道がどんどん開けていったって感じでした。
佐藤
僕の場合は、本当にリクルートで人材紹介をやりたかったのに実際に人材紹介ができたのは2年しかなくて…、その後は社内のマネジメントを任され、ずっと現場で人材紹介がやりたいという思いを抱きながら、がむしゃらに組織長をやっていました。最後に少しだけ人材紹介をやらしてもらって、その後、起業しました。

山際
佐藤さんは本当に「人材紹介バカ」ですもんね(笑)。
西尾
リクルート時代、佐藤さんは組織作り、私は人材紹介の修行にがむしゃらだったってことですね。
佐藤
そうですね。
山際
がむしゃらにやる」って最近あんま聞かないけど、決して悪いことではないよね?
西尾
悪い事とは思ってないけど、確かにあまり聞かないし、それが良いとされる時代ではなくなったのかもしれないですね。

山際
でも、“全力で走り抜けて、後ろを振り返ったら凄い良い景色があった”みたいなこともあるはず。
佐藤
うまいこと言うね(笑)。
山際
組織長の立場からすると、「がむしゃらにやる」ってどう思います?
佐藤
僕の場合、マネジメントスタイルは時期によって真っ二つに分かれているんです。
西尾
真っ二つというと?
佐藤
昔は超がむしゃらでした。メンバーには単に目標を達成するだけじゃダメで、「200%の結果やMVPを目指せ」、みたいな事を言ってました。厳しかったとは思うけど、「あの指導で力がつきました」って言われることもありますね。
山際
そのスタイルが変わったのは、何かきっかけがあったのですか?

佐藤
リーマンショックですね。どんどんメンバーが疲弊していくのを目の当たりにして、「これじゃぁ誰も幸せじゃない」と反省して、マネジメントスタイルを変えました。でも不思議なことに結果を追求しなくなったら、逆に結果が出てきました…。
山際
がむしゃらにやったけれども結果が伴わなくなる、という時もあるのかもしれないね。
佐藤
ええ。
山際
「がむしゃらに仕事しろ!」とマネジメント側が押し付けるのは無理な話かもしれませんが、一個人としてはがむしゃらにやることも大切だと思っています。西尾さんはどう考えますか?
西尾
私の場合は、自分はがむしゃらにやってきた結果、自由な意思決定ができるようになったと思うんです。
佐藤
自分で意思決定ができる。仕事を選べるって幸せなことだよね。

西尾
そうですよね!仕事で自分のオリジナリティを出せるまでは、選り好みせずにがむしゃらにやるのも一つの正解だとは思います。
山際
オリジナリティを磨くために、西尾さんの場合はがむしゃらさが活きたということでしょうか。
西尾
はい。ひたすら目の前のことに取り組んでいたら、「こっちもやってごらん」って周りの人が可能性を開いてくれました。その時々の意思決定は自分でしてきましたが、それぞれの選択肢は自分一人では見出せなかったものだったので、とても感謝しています。
山際
なるほど。
西尾
がむしゃらにやらなくてもオリジナリティが持てる人は一定数いると思います。でも、私の場合、オリジナリティを持つためにがむしゃらに頑張ることが必要で、結果として自由に仕事ができる今の自分になれましたね。

[2] オリジナリティ 〜キャリアの磨き込みと使命感〜  に続く

対談者プロフィール

佐藤 雄佑

株式会社ミライフ 代表取締役社長

2001年 新卒で株式会社ベルシステム24に入社
マーケティングやコールセンター管理業務に従事。コールセンターなどで多くの「人」と関わる中で、将来的には人材業界で起業したいと思うようになる。人材の中でも1対1で人と向き合いたいと考えたので「人材紹介」に絞り転職活動をする。
2004年 株式会社リクルートエイブリック(現:リクルートキャリア)に転職。リクルーティングアドバイザー(企業担当の営業職)やマネージャー、支社長を経験し、半年間の育休を経て人事責任者、エグゼクティブ層の転職支援などを経験する。
2016年4月 株式会社ミライフを創業

佐藤 雄佑キャリアアドバイザーに
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西尾 理子

株式会社みこまる 代表取締役

2001年 新卒で日本HP株式会社に入社
2004年 株式会社リクルートエイブリック(現:リクルートキャリア)に転職。主に若手の転職支援や新規支社の立ち上げなどに携わる。人材業界で働く基礎を学ぶ。
2010年 株式会社プロコミットに転職。仮説やイマジネーションから結びつきを創造し、インパクトのある機会創出ができるようになった。
2017年5月 株式会社みこまるを創業

山際 尚徳

株式会社フォーリープ 代表取締役

2002年 新卒で株式会社リクルートエイブリック(現:リクルートキャリア)に入社
2年半ほどリクルーティングアドバイザー(企業担当の営業職)を経験し、独立のための退職を申し出たところ、上司から「起業するつもりなら、先ずは社内で新規事業をやってみろ」と言われ、3つの新規事業立ち上げを経験する。
2006年12月 IT領域で起業。リクルートがやらない領域で価値を提供できそうな事業をやっていたが、人材に係る仕事や相談も受ける機会が多く、その中で、人材紹介のあり方が現実と乖離してきたように感じAIではなく「人」にしかできない斡旋をしよう!と思い人材業界に戻ってきた。
2012年 株式会社フォーリープを創業

山際 尚徳キャリアアドバイザーに
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